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オンライン授業・ウェビナーの見た目を良くする照明と背景の基本

Tags: オンライン授業, ウェビナー, ライブ配信, 照明, 背景設定, カメラ映り

オンライン教育や研修において、ライブ配信形式の授業やウェビナーは重要な役割を果たしています。受講者とリアルタイムで繋がれるという利点がある一方、対面とは異なる様々な準備や配慮が必要です。特に、画面を通して自身の姿を見せる際、「見栄え」は受講者の印象や集中力に少なからず影響を与えます。ここで言う「見栄え」とは、決して外見の美醜ではなく、画面に映る映像がクリアで、講師の表情がはっきりと分かり、視聴の妨げにならない環境であるか、という点です。

本記事では、オンライン授業やウェビナーの「見栄え」を向上させるために、比較的簡単に取り組める「照明」と「背景」の基本的な設定方法について解説いたします。高価な機材がなくともできる工夫も交えながら、受講者にとってより快適で、信頼感のある配信環境を作るヒントを提供できれば幸いです。

なぜ照明と背景が重要なのか

オンライン配信における映像は、対面でのコミュニケーションにおける「見た目」や「雰囲気」に相当する部分を担います。適切な照明と背景は、主に以下の点で重要です。

照明の基本と設定方法

カメラの性能にかかわらず、照明は映像の質を決定づける重要な要素です。特に、顔に適切な光が当たるように調整することが基本となります。

照明の基本原則

  1. 逆光を避ける: 窓や強い照明を背にして座ると、顔が暗く写ってしまいます(逆光)。可能な限り、窓や照明を正面または斜め前に配置するようにしましょう。
  2. 顔に均一に光を当てる: 顔の一部だけが明るすぎたり、影ができたりしないよう、光を均一に当てることを目指します。

おすすめの照明セッティング例

最も基本的なセッティングは、「メインライト」と呼ばれる主要な光源を顔の斜め前に置く方法です。

照明機材の種類と選び方

部屋の照明を活かす

日中の自然光は、最も美しく顔を照らしてくれる照明の一つです。窓からの光をメインライトとして利用できる位置にデスクを移動するだけでも、映像は大きく改善します。ただし、天候によって明るさが変動するため、補助としてリングライトやLEDライトを用意しておくと安定します。夜間や曇りの日は、部屋のシーリングライトだけでなく、顔の近くに補助的な照明を追加することを強くお勧めします。

背景の基本と設定方法

画面の大部分を占める背景は、受講者の集中を妨げないよう、シンプルで落ち着いた状態に整えることが望ましいです。

避けるべき背景

好ましい背景の例

物理的な背景の整え方

最も基本的な対策は、カメラに映る範囲を片付け、整理整頓することです。不要なものが映り込まないように配置を調整する、一時的に布などで隠すといった方法も有効です。壁を背景にする場合は、余計なポスターや貼り紙などを剥がし、シンプルに保ちましょう。

バーチャル背景の活用

ZoomやTeamsなどのツールには、バーチャル背景機能が搭載されています。これは、実際の背景を隠し、用意された画像や動画を背景として表示する機能です。

バーチャル背景をきれいに利用するためには、人物と背景の境界をツールが認識しやすいよう、単色の壁の前で配信したり、後述のグリーンバックを使用したりすると効果的です。

グリーンバックの使用

グリーンバック(またはブルーバック)は、特定の単色(緑や青)の布や壁を背景にすることで、ツールがその色を透過させ、バーチャル背景をより自然に合成できるようにするためのものです。

実践的なアドバイス

まとめ

オンライン授業やウェビナーにおける照明と背景の整備は、受講者への配慮であり、円滑なコミュニケーションのための重要な要素です。高価な機材を揃える必要はありません。まずは、お手持ちの照明器具や自然光を工夫して活用する、カメラに映る範囲を整理整頓するといった、できることから始めてみてください。

これらの基本的なポイントを押さえるだけでも、画面越しの印象は大きく変わります。受講者にとって快適な視聴環境を提供することで、講義内容への集中を促し、より質の高いオンライン教育・研修を実現できるはずです。ぜひ、ご自身の配信環境を見直してみてはいかがでしょうか。