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オンライン授業・ウェビナーにおける伝わる話し方:声のトーンと抑揚、ジェスチャーの活用法

Tags: オンライン授業, ウェビナー, 話し方, コミュニケーション, プレゼンテーション技術

オンラインでの教育・研修が普及する中で、ライブ配信形式のオンライン授業やウェビナーを実施される機会が増えているかと存じます。対面形式とは異なり、オンラインでは非言語情報の一部が伝わりにくくなるため、話し方や声の使い方がより重要になります。受講者に内容を正確に伝え、関心を引きつけ、集中を持続させるためには、話し手側の意識的な工夫が求められます。

本稿では、オンライン授業やウェビナーにおいて、受講者へ効果的に情報を伝えるための「話し方」に焦点を当てて解説いたします。声のトーンや抑揚、適切なスピードといった音声的な要素から、カメラ越しのジェスチャーや表情といった非言語的な要素まで、すぐに実践できるポイントをご紹介いたします。

オンラインで「伝わる話し方」が重要な理由

対面でのコミュニケーションでは、話し手の表情、声のトーン、ジェスチャー、視線、全身の姿勢など、多くの非言語情報がメッセージの意味合いを補強し、信頼関係の構築に貢献します。しかし、オンライン環境、特にライブ配信では、これらの非言語情報の多くが制限されたり、歪んで伝わったりする可能性があります。

例えば、

このような環境下で、内容を正確かつ魅力的に伝えるためには、残された情報伝達手段、特に「声」と「画面内で見える非言語情報」を最大限に活用する必要があります。単に話す内容だけでなく、「どのように話すか」が、受講者の理解度、集中力、そして受講全体の満足度に大きく影響を与えるのです。

声の基本技術:トーン、抑揚、スピード、間

オンラインでの話し方の基本は、まず「聞き取りやすい声」で話すことです。これにはいくつかの要素があります。

1. 声のトーンと抑揚

単調な話し方は、受講者を退屈させてしまう最大の要因の一つです。声のトーン(高低)と抑揚(声の大小、強弱)を意識的に変化させることで、話にリズムと感情が生まれ、受講者の注意を引きつけやすくなります。

自然な会話のような抑揚を心がけましょう。録画を見返したり、信頼できる人に聞いてもらったりして、自分の話し方の癖を知ることも有効です。

2. 適切な話すスピード

話すスピードは、内容の難易度や受講者の理解度に合わせて調整が必要です。一般的に、オンラインでは対面よりも少しゆっくりめに話す方が聞き取りやすいとされています。

目安としては、1分間に250〜300文字程度と言われますが、これはあくまで目安です。実際に話してみて、自分で録音を聞き直したり、参加者からフィードバックを得たりしながら、適切なスピードを見つけることが大切です。

3. 間(ポーズ)の活用

話の途中で適切な「間」を置くことは非常に重要です。間には様々な効果があります。

沈黙を恐れず、効果的に間を活用しましょう。特に質問を投げかけた後には、受講者が考えるための十分な間が必要です。

4. 滑舌と発音

言葉の一つ一つを明確に発音することも、聞き取りやすさの基本です。マイクを通して声が伝わるため、対面以上に意識する必要があります。

基本的なことですが、意識するだけで聞き取りやすさが格段に向上します。

非言語表現の活用:ジェスチャー、表情、視線

オンラインでは声だけでなく、画面を通して伝わる視覚情報も活用できます。

1. ジェスチャー

画面の中で見える範囲(主に上半身)でのジェスチャーは、話の内容を補強し、話し手の熱意や自信を伝える効果があります。

2. 表情

表情は感情を伝える最も直接的な方法です。笑顔は親しみやすさを、真剣な表情は内容の重要性を示します。

3. 視線

オンラインでの視線は少し難しい要素です。

常にカメラを見続けることは不可能であり、不自然でもあります。カメラと画面をバランスよく使い分けることが重要です。資料を見ながら話す際は、カメラから目線が大きく外れすぎないように、資料をカメラの近くに配置するなどの工夫も有効です。

実践に向けて:準備と練習

これらの技術は、意識し、練習することで向上します。

まとめ

オンライン授業やウェビナーにおいて、内容を効果的に伝えるためには、話し方への意識が不可欠です。声のトーンや抑揚、適切なスピードと間、そしてカメラ越しのジェスチャーや表情といった非言語的な要素を意識的に活用することで、受講者の理解を助け、関心を引きつけ、より実りある教育・研修を提供することができます。

これらの技術は、一朝一夕に身につくものではありませんが、繰り返し練習し、ご自身の配信スタイルの中で試行錯誤を重ねることで、確実に向上させることができます。ぜひ、本稿でご紹介したポイントを参考に、実践に取り組んでいただければ幸いです。